2022/07/20

高野山ツアーの研修1日目 〜奥の院散策と宿坊体験〜

協会メンバーで行う初めての高野山ツアーの研修です。
高野山は、標高900mの高地に開かれた一大宗教都市で、世界遺産にも登録されており、今や世界各国からのビジターをもてなす関西屈指の観光地です。
研修初日は、奥の院を散策し、宿坊に宿泊します。

高野山ケーブルカー:

高野山へは南海電鉄の「特急こうや」で極楽橋まで行き、ケーブルカーで山頂の高野山駅まで行きます。4代目となるケーブルカーは、目の覚める赤色で、5分で山頂に着きます。急こう配の山腹を登っていくケーブルカーは、迫力満点です。高野山駅は標高850mで、途中で標高650m点、東京スカイタワーの高さを超えます。

奥の院散策:

研修初日はあいにくの雨。時おり激しく降る中での散策です。
バスで奥の院前まで行き、そこから歩いて目的地の「弘法大師御廟」を目指します。
「一の橋」を渡ると、風景がガラッと変わります。約2km続く参道の両側には、樹齢数百年の杉の大木が立ち並びます。
「五輪塔」と呼ばれる大きな石墓が両側に並んでおり、歴史上有名な戦国大名の名前もたくさん見つけられます。20万基以上といわれる石墓は、戦国の世から築かれたのですが、交通機関など無い時代に、人力で巨石を運んだのですから、その苦労ははかり知れませんね。
五輪塔を囲うフェンスの前には、石の鳥居があります。神仏習合の現れです。

「中の橋」手前に、「汗かき地蔵」と「姿見の井戸」があります。この井戸をのぞき込んで、自分の顔が映らなければ、3年以内に死ぬといわれています。みな、恐る恐るのぞき込みました。

「御廟橋」の手前に休息所があり、お茶を飲めます。玉川の流れの中にある禊場を見て、「水かけ地蔵」に水をかけます。
御廟橋の前で一礼して、弘法大師御廟へお参りします。ここは、奥の院でも一番神聖な場所で、携帯電話禁止、写真撮影禁止、脱帽です。
「ありがたや 高野の山の岩陰に 大師はいまも おわしますなる」
高野山では、弘法大師は今も生きて、毎日どこかで衆生を救うために祈っておられます。
毎朝、6時と10時30分に、「生人供(しょうじんく)」と言って、ご飯をお大師様に提供しています。
御廟からの帰り道は、別の参道を歩きます。こちらの参道には、企業の墓がたくさんあります。
約2時間をかけて、ゆっくりと奥の院散策をしました。

宿坊宿泊体験

今回の研修では、宿坊に宿泊し、精進料理などを体験します。
金剛峯寺に隣接した「常喜院」に泊まります。
宿坊の部屋は広い和室で、襖絵などが書かれています。今は各部屋にエアコンがついています。
ひと風呂浴びた後は、早めの夕食です。
宿坊の若いお坊さんたちが、精進料理のお膳を部屋まで運んでくれます。
精進料理を初めて体験するメンバーもいました。
精進料理は、高野山で育てられた肉や魚などを使わない料理です。
野菜の天ぷら、葛を使った料理、ゴマ豆腐などです。
お酒類は、「般若湯」と言って、夕食時に注文できます。
高野山の宿坊の精進料理は、大変高品質で、これを食べるために宿泊する外国人も多いそうです。

夕食後は、部屋でみんなで団らんして過ごします。
協会の今後の活動のことや、いろんな話題で、話は尽きませんでした。

筆者:田村昌信