泉佐野地域通訳案内士協会

日帰り施設の「山乃湯」は、犬鳴山バス停から和歌山への車道を、そのまま少し歩くと、左手に下る坂道があり、車ならそこを下り駐車場へ、徒歩なら次の階段を左に降りて建物に入ります。縦長式の建物で温泉は一番下にあります。こここそ知る人ぞ知る、という古い感じの建物ですが、犬鳴山の各温泉の元湯の中でも、泉質抜群の温泉です。

ご主人がご高齢のために、宿泊施設の湯元温泉荘は現在休業中です。ご主人のおじいさんは「元湯なので年中無休、昔から知ってくれている人らが、12月31日や1月1日にやって来たりで、年末年始は人が多い。」とおっしゃっていました。

「食事は釜飯のみで、温泉に入っている間に用意する、あとは持ち込みもOK、持って来たらいい、ただし焼肉はやめてもらっている。」とのこと。　男湯、女湯の前には「酒類持込禁止」と「禁煙」の貼り紙がありました。

入浴料を払おうとすると「お仕事で来てるんやろ、ただで入っていき。」「いいえ、お仕事ではなく勝手に来てるので」と言ったが、結局無料で入浴させてもらいました。泉質がわずかに白濁しており、とろみがある源泉が蛇口から流れていて、れっきとした源泉かけ流しです。こんな近場でリッチなお湯に浸かれるとは、とおおいに感激しました。

帰りにバス停で出会ったおばあちゃん曰く、「山乃湯さんのお湯は、洗っても洗ってもぬるぬるしてるやろ。遠くから来た人が、北海道や東北や九州にも、こんな温泉があるけど、大阪にあるとは、ってびっくりしてたわ。」

温泉の泉質そのものを楽しむなら山乃湯、ハイキングのあと気軽に入浴や食事を楽しむなら犬鳴温泉センター、豪華な気分でグループで来るなら、不動口館やみ奈美亭かなと思いました。それぞれ目的に応じて行き分けしたらいいと思いました。

もちろん不動口館さんやみ奈美停さんも、山乃湯さんや犬鳴温泉センターさんと同じく入浴のみでもOKです。入浴しませんでしたが、両方とも露天風呂があり、きれいで眺めもいいと思います。そういえば、犬鳴温泉センターさんは、2つの川に挟まれているので、勝手に露天風呂に入る人が後を絶たず、閉鎖したそうです。